Yoko's Graduate School Experience U.S.A.

中学校・高校で音楽と国語の教師を5年勤めた後、念願の留学が2005年に叶いました!これは彼女のアメリカ大学院生活の体験日記です。

Wednesday, December 12, 2007

世界で一番長い音楽

今宿題でジョン・ケージについてオンライン上でディスカッションしています。



バックグランドを抑えておこうと思って調べてたら、おもろいねえ、この人。

彼の作った、今のところ現存する最長の音楽、
それは「ASLSP」.
2000年から2638年までドイツで機械によって演奏され続けてるそうです。


638年間って・・・。





しかも、有名どころの「4分33秒」って曲。
これ、コンサートホールで、
ピアノの前に演奏者が何もしないでこの時間ずっと座っているという曲。

注:楽器編成は何でもいいんです(オケでも)。




中学生にも話して聞かせてはいたが、
このたび出版されているこの曲の楽譜を見た。





この曲は3曲構成、らしい。

スコアは、
1頁、表紙
2頁、曲の題名、「4’33’’」
3頁、I、II、III。
4頁、(白紙)

終了・・・。



これふざけてるわけじゃないんです。
これ、出版されてるんですよ。
今、授業で彼の音楽に対する思想を学んで初めて理解できる曲たち。






この曲は観客自身が発する音、
ホールの内外に発生する音に意識を向けさせる曲なんですよね。

その瞬間に居合わせた人や環境でしか味わえない作品なわけです。


おもろいのが、教科書に、


「現在でもラジオでは時折この曲を取り上げるため、


 著作権使用料がケージには入っている。」


って様なことが書いてあったってこと。



え、何で4分33秒じゃないといけないのかって?


1つの解釈として、

4分33秒は273秒。絶対温度の0度です。

これが噛んでるのではないかということでした。






もうひとつの彼のアプローチの代表作品、

1960年のプラスチック板を自由に組み合わせて楽譜を作り演奏する「カートリッジ・ミュ-ジック」。



これもお目にかかれたので撮ってみました(後日)。



あと、紙につけたシミを音楽にしたり、

くしゃくしゃにした紙を音楽にしたり、

ピアノの弦に消しゴムやらねじやボルトを仕込んで演奏したり、


この人の創造性、おもしろい。





楽譜に

「演奏したくなったら演奏すること、

 音をやめるときだと思ったらやめること


 リハーサルはしてはいけない。」


って書いてあった。




音楽図書室でひとり、プププって笑ってました。






社会の動きと密接にかかわる音楽(文化)。

20世紀はかつてない世界規模の動乱期。

たくさんの音楽が生まれたって事がよくわかりました。

3 Comments:

  • At 12:51 PM, Blogger Megumi said…

    4分33秒は273秒。絶対温度の0度です。>

    面白い。

    温度って分子だか電子だかが動き回ることによって発生するんだよね。絶対零度ということは、全ての物質が静の状態かな。

    何もかもが活動を停止して、耳を凝らす。そこで初めて聞こえる音があるということか。

    最近、瞑想やってるやん。だからさ、Be still...について考える機会が多いです。

    あ、そうや。日本のアマゾンであの本見つけたから送ってもらうことになったよ!!やっぱり絶版になってたね。でも古本で手に入りました。

    「女性であること」もあったんやけど、コレクターズ・エディションしかなくて、17000円もしたから諦めました・・・。

     
  • At 5:46 PM, Blogger Yoko said…

    なるほど。
    Cageの手法でSilenceって大きな道具なんだよね。
    タイトルがそれをすでに物語っているというIronyだね。
    Silenceの先にある音だね。

    瞑想やってるのね!!!
    そのことについても明日はなせるのを楽しみにしてます。

     
  • At 8:56 PM, Anonymous Anonymous said…

    Ah, I've heard of it...My English professor once told me about this strangely quiet piece. Interesting. And he also shared about a music that they are taking really, really long to play on the organ. I told you about it… Taking days and months to play each notes. It’s 1,000,000 times slow or something. It’s supposed to take hundreds of years to play one song. Theoretically possible, but practically….? Anyways, what’s the philosophy behind that? I don’t know. Music outlive composers’ and audiences’ lives? Doesn’t it anyway whether you stretch a not or not? Interesting…

     

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